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2023年3月 Roland C.III
エデュアルト・シュライヒ中尉乗機 完成機のページへ
古いキットを1から作る
このキットを初めて作ったのは50年以上前だったと思う。当時の印象としては、乗員のフィギュアの出
来が衝撃的で、レベルのキットとの違いに新鮮さを感じたことを覚えている。だが今の目で見ると、不満な
点も多く、久しぶりにこれらを過度にならない程度に手を入れ、組み立てることにした。
AIRFIX製キットのパーツ。
手を入れたい箇所
1.エンジンの表現が簡素過ぎる。
2.機関銃、プロペラなど、小物部品が全然似てない。
3.座席など内部がスカスカ。
4.尾翼の羽布表現が皆無でツルツル。
RODENアルバトロスD.IIのパーツ
これから、パラベラム機関銃を流用した。エンジンも流用しようかと思ったが、見える部分が少なく、勿
体ないのでHitKit社のエンジンを流用することにした。
エンジンの作製
HitKit社のエンジンは、アルバトロスDIII用で一回りデカいが、何とか機首内に収まりそうだ。
エアのエンジンはツルツルのシリンダーのみで実感に乏しく、不使用とするのだが、独特のマフラーと繋が
る排気管の部分は使いたい。
まず、エアのエンジンのシリンダヘッド部を切断。さらに不要部分を削り取っていく。
HitKit社のエンジンに、エアの排気管を接着する。
仮組みで胴体に収めてみる。排気管をクリアするため、右側胴体パーツを少々削る必要があった。
細部の変更(1)プロペラと機首カバー
実機の写真を見ると、プロペラはアキシャル社製のように見える。だがゼブラ模様ではなく、暗い単色に
写っている。エアのプロペラは形が違い、少し貧弱に見えるので切り取り、HitKitのアルバトロス
DIII用のものを整形し、形を似せることにした。
機首先端の金属カバーと木部の境界が省略されているので、バイスに針を固定し、仮組みした胴体を回転
させて毛書きした。
細部の変更(2)転倒時の保護用支柱、エルロン周り
上翼で修正不可避な問題は、
1.エルロン操作のアームが省略されていること。
2.転倒時、乗員保護のための支柱が、前期型は円弧形であり、シュパンダウ前方固定機関銃が無いこと。
3.下翼も含め、なぜか主翼のみ羽布のザラザラ表現がなされ、尾翼はツルツルで別質感になっていること。
まずスポンジヤスリで羽布のザラザラ表現を落とし、エルロン操作アームを筋彫りする。シュパンダウ機
関銃取り付け穴を塞ぎ、パテを盛り平滑にする。
保護支柱については、少し太めだが0.7mmプラ角棒を使った。爪を押し付け引っ張ると丸みがつくの
だが、購入から20年以上経つからか劣化したようで、すぐ折れてしまった。そこで少し丸みをつけてから、
流し込み用接着剤を塗り柔らかくしてから、ポリ製のスポイドに巻きつけて乾燥させてみた。
丸く形がついたプラ角棒を取り付け穴に入れ、図面や写真を見ながら適切な長さで切断、接着した。
もう一方は二分割して接着。これで前期型の、シュライヒ中尉乗機らしくなったと思う。
胴体の作製
垂直尾翼がかなり分厚いので、裏側からヤスリをかける。側面の窓に段差を設け、透明プラ板が使えるよ
う準備する。プラ板で床板を作り、木材骨組みの位置などを鉛筆で記入。
窓枠に0.2mm厚の透明プラ板を接着。木製骨組みを接着。胴体内部を塗装。
シート、計器盤、スロットルレバーなど、小物類を接着。
左右胴体を接着。背中側を合わせたので、腹側に大きな段差が出来、これにパテを盛る。
ラジエターにはエッチングパーツを追加した。
水平・垂直尾翼はいずれも、あたかも金属製であるかのように平滑過ぎるので、骨組み位置を鉛筆描き。
羽布部の質感を表現した水平・垂直尾翼。方向舵操作索の穴を開け、操作索と繋がるヒンジを取り付ける。
塗装とデカール貼り
塗装の方は単純で、全面ライトブルーグレー単色を吹き付け塗装。問題はキット付属のデカールで、経年
劣化でボロボロになっていた。そうとは知らず、最初に貼ろうとした「口」は、水から出してちょっと指先
を触れただけでバラバラ粉々になってしまった。幸い「口」は黒一色なので筆塗りすることにした。
デカールの劣化が判明したので、他は事前にマイクロスケールのリキッドデカールフィルムを2度、重ね
塗りしてから使用した。垂直尾翼の国籍マークは、方向舵のヒンジに掛かるので、あらかじめ2mmのポン
チで穴あけしてから貼って、乾燥後黒塗装した。
最終組み立て
マーキング後、クリアーを吹き付け、ツヤを均一化させ、汚しを済ませ最終組み立て、準備完了。
方向舵の操作索を接着。ネットで見かけた方法を試してみた。ペットボトルの蓋に1mmの穴を開け、ボ
トル内に瞬間接着剤の硬化剤のスプレーを吹き付け蓋を閉める。バイスに胴体を固定。右手で索を引っ張り、
接着剤を垂らしたヒンジに圧着。左手でペットボトルを掴んで、中の機体を接着部に吹きつける・・・と言
うもの。半信半疑だったが、やってみると効果的で、すぐ固まった。
上翼を取り付ける。
下翼と支柱を取り付ける。糸を張り、足回りを組めば完成。
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