Last Modified 2020 . 10/02
2020.9/28 ブレーキレバーの修理他
普段乗りのロード1に今ついている、MAFACのブレーキレバーが壊れた。タバコを買いに行くくらいな
ら前ブレーキだけで充分だが、遠くに行くのは怖い。修理ついでにリアディレーラーの交換と、スプロケット
とチェーンの清掃をすることにした。
作業内容は次の3つ。
1.修理:ブレーキレバーの受け金具を交換
2.パーツ交換:リアディレーラーとワイヤー
3.清掃:スプーケットとチェーンの洗浄
1.ブレーキレバー部品を手製の部品に交換
破損したワイヤー受け金具の状況。 正常な状態
上の写真が、壊れたワイヤー受け金具。材質はジュラルミン
で、2mm厚の板を折り曲げて作られている。右上の写真が正
常な状態で、ワイヤーの交換を簡単にするため、2mmの切り
欠きがある。このため、ワイヤーのタイコ部分が収まる4mm
の穴付近が、厚み2mm、幅4.5mmしかない。
壊れたパーツの破断面を見ると、この一番細くなった部分の
色が黒く、先に破損していたことが分かる。パーツが2つに割
れてからも、しばらくはワイヤーを保持していたが、やがて、
もう一ヶ所破断が生じ、外れたのだろう。だからその時、私は
ワイヤーが切れたと感じた。
さて修理だが、諦めるのが普通だろう。MAFACはフラン
スの自転車部品メーカーだが、1990年には消滅していた。
だから修理に出す事は不可能。ジャンク品を含め、交換パーツの入手も不可能に近いだろう。だが2年前、私
は交換用のパーツ(右下の写真)を、真鍮で自作していた。当時の制作過程は、この巻末の付録にまとめておく。
復活したMAFACのギドネットレバー。
上の写真左側が2年前に交換したパーツで黒く汚れている。右側の金色のパーツが今回交換したもの。これ
で両方共自作パーツになった。20代の頃から、私は後ブレーキを右手で引いている。ワイヤーを長く引き回
すと、やはり重くなるから利き手の右側に変更している。
2.ディレーラーの交換とチェーン周りの清掃
汚れたチェーンとバネが緩んだディレーラー
スプロケットもチェーンも真っ黒に汚れている。ディレーラーはカンパのヌーボレコード。使い始めて25
年になる。さすがにバネが緩んだようで、前インナー、後トップに入れると、まず確実に歯飛びするようにな
ってしまった。こうなれば交換しかない。
綺麗になったチェーン回りと新ディレーラー
付録:ワイヤー受け金具の自作nov.2018
破損部品は2mm厚の軽合金。代替部品には、9mm×1.5mm×1,000mmの真鍮板を購入した。
ブレーキレバーの厚みは6mmだから、出来上がったパーツの幅は、6+1.5+1.5=9mmになる。
このままだと遊びが無いから、パーツの動きが悪くなる。だからシャコ万力を9.5mm位に開き120〜
140mm位にカットした真鍮板を乗せる。先端を平坦に削った、5mm厚のタガネで叩いて折り曲げた。
曲げたままではワイヤーのタイコの部分が入らない。 曲げた部分を上にして、9.5mm幅の万力で挟む。
右上の写真のように、パーツをセットするには、その前に、折り曲げ部分を上にして、垂直に自立できて、
かつ、万力の上に3〜5mm程度頭を出す長さに、真鍮板の両端を切りそろえる必要がある。
それができれば、後はハンマーで上から叩いて、ワイヤー保持部を平坦な形に整形するだけである。
アール一つのU字が二つ角のコの字に近づいた。 叩くために必要だった余分な部分をカットして穴開け。
部品は全部で6個作った。後半3つは、曲げの作業、鍛造の作業それぞれの直前に、焼き鈍しの作業を入れ
てみたが、少ない力で整形できるから、失敗が減って作業精度が上がった。