「Auto Bellows K」MAR.2022

Super-Takumar 50mm F1.4 を取り付ける

 手持ちの「Auto Bellows K」を使って、標準レンズをリバース装着し、テスト撮影を試みる。レンズ選び は、Bellows のマウントであるKか、変換リングを介してM42のいずれかになる。今回は標準の標準とも 思われる、「Super-Takumar 50mm F1.4」にした。 上の写真「左」がタクマーで「右」がニッコール。両者とも 50mm F1.4 で、レンズ七枚構成である。ペン タックスの方が小型であるのが分かる。ペンタックスSPなど購入時に付いてきた。交換レンズに蝕手を動か す他に、付属の標準レンズの性能を引き出すアクセサリーに投資する手もあった。その一つがベローズだ。最 短撮影距離が45cmのレンズの繰り出し量を、大幅に増やし等倍以上の接写を可能にできる。メーカーの説 明では、この時 Takumar 50mm F1.4 を前後逆に(リバース)取り付けることを推奨していた。  リバースで取り付けるには、まずレンズ側蛇腹上のネジ(黄矢印)を緩め、レンズマウント側ブロックを外す。 一旦、レンズ側ブロックをレールから抜いて、前後逆にしてレールに戻す。標準レンズをねじ込む。  レンズ先端に蛇腹をかぶせ上記ネジで止める。

Auto Bellows K を PENTAX K1 に取り付ける

 ベローズはレンズとカメラを、可変の光路で繋ぐ装置だから、もう一方はカメラ側のマウントだが、こちら には厄介な問題があった。カメラ側ブロックの一部が、カメラ(K1)ボディと干渉し取り付け不可なのだ。  上の写真左側、黄色「\」線が本来の形だが、これを右側、黄色「L」線のように削り取る必要があった。  この加工により、ギリギリで装着できたが、本来可能な縦横位置の変更はできない。  削り取った部品には、結果として大きな穴が空いたので、カメラ補修用の皮を貼った。  レンズ側ブロックの裏側には49mmの純正フードも取り付け可能だ。

等倍付近での被写界深度を確認

f1.4                        f2.8 f5.6                        f16  テスト撮影では、気軽に手持ちで撮影したいから、1/500以上のシャッター速を使いたい。絞りすぎて ISO感度を上げると粒子が気になる。

等倍付近でのテスト撮影(f5.6)

 溶けるような、滑らかなボケ Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 比較のため、プリモプラン 58mm f1.9 を同じく5.6に絞って撮影  撮影距離が少し遠いが傾向は充分に分かる。プリモプランでは、ボケに滑らかさが欠ける。例えば、花の奥 に見える茎だが、タクマーでは溶けるようなボケで、「静寂」のようなものを感じさせる。 対してプリモプランの方は、迷いながら描いた鉛筆デッサンのようだ。「ああでもない・・こうでもない・・」 と、茎の形を追いかけながら引いた複数の線のようで、何か「ざわめき」のようなものを感じさせる。 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4

等倍以上のテスト撮影(f8)

 さらに倍率を上げるので、少しだけ絞って撮ることにした。被写体は足元のアスファルトの継目に生えてい る極小の花。 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4 Super-Takumar 50mm F1.4  高価なマクロレンズを買わずとも、ベローズを使い、かなりの接写が可能になる。ただし、多くのマクロレ ンズの絞りは、32まで備えているが、Super-Takumar 50mm F1.4 は16までである。撮影目的により、 不都合を感じることもあるかもしれない。 親ページに戻る          

親ページに戻る

 旧式な完全手動レンズと

最近のカメラの組み合わせ

を楽しんでいます。