「500円で買ったレンズ」AUG.2020 その3

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500円レンズ 無限遠撮影テスト

 引退生活だから時間はある。2020年8月、500円レンズ(NIKONだけは 1,500円、あとはすべて1,000円未満)の無限遠撮影テストをやってみた。 カメラは昨年購入したNIKON Z-6、無限遠付近の、微妙な焦点合わせが楽な ので、自作のベローズも使った。 左上:EL-NIKKOR 80mm 1:5.6       右上:E-OFNAR 75mm 1:3.5 左下:E-LUCKY 75mm 1:3.5 新     右下:E-LUCKY 75mm 1:3.5 旧         下中央:FUJINON-ES 75mm 1:4.5 8/5早朝、すべて絞り開放で撮影。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- E-LUCKY 75mm 1:3.5 旧 中央部は鮮明。 左端を拡大 撮影ポイントから橋までが約750m、その上に見える茶色の建物までが約2Km。 街灯などの白い点光源が、カタカナの「ト」の字に変形。建物の上のアンテナ類がボケて、茶色の建物細部 もはっきりしない。 E-LUCKY 75mm 1:3.5 新 中央部は鮮明。 左端を拡大 撮影ポイントから橋までが約750m、その上に見える茶色の建物までが約2Km。 街灯などの白い点光源が、カタカナの「ト」の字に変形。建物の上のアンテナ類がボケて、茶色の建物細部 もはっきりしない。わずかに点光源の「ト」の字が旧タイプより小さく感じる。 E-OFNAR 75mm 1:3.5 中央部は鮮明。 左端を拡大 撮影ポイントから橋までが約750m、その上に見える茶色の建物までが約2Km。 街灯などの白い点光源が、LUCKYより線が細い「ト」の字に変形。茶色の建物細部も少し形がくっきり と見える感じ。 FUJINON-ES 75mm 1:4.5 全体的に鮮明。 左端を拡大 撮影ポイントから橋までが約750m、その上に見える茶色の建物までが約2Km。 以上のレンズとは異なり、街灯などの白い点光源は、そのまま点として描写できる。茶色の建物細部も鮮明 に写っている。普通に撮影レンズとして使える一本かもしれない。 EL-NIKKOR 80mm 1:5.6 全体的に鮮明。 左端を拡大 撮影ポイントから橋までが約750m、その上に見える茶色の建物までが約2Km。 FUJINON同様、街灯などの白い点光源は、そのまま点として描写できる。茶色の建物細部もさらに鮮 明に写っている。普通に撮影レンズとして使える一本かもしれない。 1m弱の撮影条件では評判通りの写り(下画像クリックで別窓に拡大表示) EL-NIKKOR 80mm 1:5.6 絞り開放 ライカM用に改造したベローズを使用。 分かったこと  35mmフルサイズで無限遠まで使える500円レンズはNIKKORとFUJINONの二本。他の3 本は周辺部が流れて不明瞭になる。写したい物を画面周辺に置かなければならないときなどに困る。だが、 だからと言って無価値とは言いきれない。下の写真は右下の猫と左上のコスモスが主役だ。  どちらも鮮明に写っているが、それはカメラのフォーマットがAPSサイズだから。使用した35mmの レンズは、開放絞りの2.8では周辺部がかなり流れる。でもAPSサイズのカメラでは、周辺部の画質が 悪い部分が、画面外に追いやられるから、結果として四隅までよく写っているように見える訳だ。  EL-NIKKOR 80mm 1:5.6は4群6枚のオルソメター型だ。だから優秀なのは当然とし ても、FUJINON-ES 75mm 1:4.5 は3群4枚だと言う。テッサー型でよくこれだけの 写りを・・・と感心した。 -------------------------------------------------------------------------------------------------  結論としては、500円レンズの価値は、500円以上だったと言うことだ。引き 伸ばしレンズは、接写に使えるというのは常識になっている。それだけでも500円 以上と見てよい。その上無限遠も使えそうだとなれば、一万円以上の値がついている レンズに劣るものではなかった。開放にしても暗いのが唯一難点だが、最新のミラー レス一眼のファインダーの見やすさ、高感度画質の向上で相殺できる。では、それで もなお500円の現実は何故か・・・カメラに装着する方法を持ち合わせないカメラ ユーザーが大多数だからなのだろう。自分がそれを持っていたことを幸せに感じた。 親ページに戻る          その1へ<-その2へ<-その3
Last Modified
2020.08/23
親ページに戻る  旧式な完全手動レンズと 最近のカメラの組み合わせ を楽しんでいます。